お告げの相手は誰ですか?
家にいても会社にいても、右京のやるべきことは変わらない。
午前中の間に株価の動向をチェックして、昼からは清花の元へ上がってきた様々な書類を目を通すことだ。
右京が全てをチェックをすることで清花は安心して自分の仕事に打ち込める。
今までは秘書の鈴木がデータとして家にいる右京に資料を送っていたが、今はその手間が省けている。
律は清花のスケジュールを全て把握しなければならない。
まだ慣れないようで、あたふたしている姿が可愛かった。
「右京、第一会議室に行くよ」
右京は律が淹れた甘いコーヒーを飲んでいた。
「右京!」
「これ飲んだら行くから先に行ってて」
清花は噛みつくような顔で右京を見てから、すぐに律の所に来た。
「必ず、時間には連れてきて」
「…はい」
清花は慌てて秘書室から出て行った。
律が右京を見ると、ミルクと砂糖3,5杯分入った甘いコーヒーを、ふうふうしながら幸せそうにまだ飲んでいた。