お告げの相手は誰ですか?
律は腰の重い右京をやっとの思いで会議室まで連れて行った。
清花も右京もいない秘書室で、律は少しだけリラックスした。
自分のために美味しいブラックのコーヒーを淹れて、小さくため息をつく。
律は、一人の時間を有意義に過ごしていた。
すると、突然、内線が鳴った。
「律、ごめん、私だけど…」
その電話は希美からだった。
「どうしたの?
内線使ったりして」
「律、ちょっと下に降りてこれない?
以前に律が担当したショップのクレーム対応の資料が見つからなくて。
田中君が困ってるんだ」
律は誰もいない秘書室を離れるわけにはいかなかった。
「ここのパソコンで確認するから企画対策係にログインしても大丈夫?
係長にその旨伝えといて。
それとプリントアウトしとくから、10分後にここに取りに来て」
「了解、サンキュー」