お告げの相手は誰ですか?



右京は戻ってきた律をずっと目で追いかけた。
でも、律は絶対こっちを見ようとしない。


俺は嫌われてしまったのか…


律が座っている隣のデスクをこんなに遠く感じてしまっている右京は、寂しくて死にそうだった。


「り、律、コーヒーを淹れてほしいんだけど」


律は何も言わずに立ち上がり給湯室に入って行った。

律の事を自分のものにしたい欲求が強すぎるのも問題だが、律に無視されると泣いてしまいそうになるひ弱な心も問題だった。


「どうぞ…」


律は右京好みの甘いコーヒーを机の上に置いた。


右京の顔は見たくない…
むかつくし、悲しくて涙が出てくるから…


「律、こっち向いてよ」


それでも律は目をそらしたままだ。

右京は一口だけコーヒーを飲むと気だるげに立ち上がった。
律の顔を覗きこむ形になった右京は、背けている律の顔を優しく自分の方へ向けた。





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