お告げの相手は誰ですか?



律はその日の夜、母の恵美に少しだけ相談をした。


「お告げの夢に出てきた人と必ず結婚するの?

もし、その人と結婚できなかったらどうなるの?」


律はお告げの夢の相手は慎之介だと確信している。
少なからず慎之介の事を気に入っているのは確かだし、慎之介もきっと律の事を少しは気にかけている。

でも、目を閉じると浮かんでくるのは右京の顔だった。
胸がドキドキするし、切なくて涙も出てくる。


「律、確かにあなたが以前から言ってるようにただの言い伝えなのかもしれない。
でも、大丈夫よ。
紆余曲折があって回り道をしても、必ず不思議とその人と結ばれるの。
だから、あなたは何も考えずに時の流れに身をまかせていればいい。

信じる信じないもあなた次第という言葉があるけど、私達は信じてる。
今まで、ずっと、その導きで幸せになってきたんだもの」


律は母に聞いた事を後悔した。
母の話からすれば、私は右京とは結ばれない。



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