お告げの相手は誰ですか?
律は車を運転しながら、清花の一語一句を聞き逃さないようにしていた。
“ALLmall”の女子社員は全員といっていいほど清花に憧れている。
清花みたいな女性になりたいと心のどこかで思っていた。
「律さん、右京はどんな感じ?」
律はびくっとした。
「右京さんですか?
いつもパソコンに向かっています」
清花はいつも右京の事を心配していた。
もういい大人なのに、いつまでたっても清花にとっては子供だったから。
「右京は律さんの事をとっても気に入ってるわよね」
「いえ、きっとそれはミーコに似てるからだと思います」
清花は声を上げて笑った。
「それはもちろんだと思うけど、でも、ミーコに似てるって右京にとっては素晴らしいことなんだから」
「素晴らしい?」
「そうよ。
ミーコは右京にとって、一番の友達であって、母親であって、恋人なんだから」