お告げの相手は誰ですか?



律はまた心の中がざわついていた。


「私達の両親が離婚して、右京は父親と二人暮らしになっちゃったの。
私も大学で家を離れてたから…

そんなときチワワのミーコが小さな右京のそばにいてくれた。
ミーコは絶対右京を裏切らないし、見捨てない。

あの時、ミーコが右京の近くにいてくれて本当によかった。

だから、右京にとってミーコは特別なのよ」


これで分かった。
たまに見せる右京の寂しそうな顔のわけを…


「でも、私は…」


律は泣きそうだった。
私はきっと右京をまた傷つけてしまう。


「いいのよ。
何もしなくて。

ただ、近くにいてくれるだけで喜んでるんだから」


清花は涼し気な顔をしてそう言った。
律が右京と結ばれることを願っているなんて、微塵にも見せずに。


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