お告げの相手は誰ですか?
右京は金曜日というだけで機嫌が悪かった。
別に仕事が忙しいわけではない。
いつもと同じ作業をするだけだ。
このイライラの原因は、自分自身、百も分かっている。
明日、律は慎之介とデートをする。
「もう、場所は決まったの?」
「場所??」
律はパソコンに入力している手を止めて右京を見た。
「デートで食事するお店だよ」
また、始まった…
これで3回目でございます。
「それは相手の方が探してくれる事になってるので」
「まだ連絡ないの?」
「…はい」
律は右京のこのお子ちゃまモードにはさすがについていけない。
「もうこんな時間なのに?
きっと、あのキリン君は忘れてるな」
右京の中での慎之介はキリン君だった。
律は面倒臭いので何も答えずにいた。
「きっと忘れてるだろうからさ。
そんなんだったら律が可哀そうだから、俺と食事行こうか?」