お告げの相手は誰ですか?



律は清花が社長室に戻った頃を見計らって、社長室がある二階のフロアへ行ってみた。

律が勤める“ALLmall”の会社は、都心から少し離れた郊外にある。
以前は町工場に使われていた廃屋を、今風のワンフロアに改造した広々としたオフィスだった。
敷地は広く、駅から自転車で通勤できるように自転車置き場も充実している。
もちろんマイカー通勤も可能だった。

そして、天井が高く吹き抜けのように見える二階に社長室はあった。
社長室は入ったすぐに秘書室があり、その奥のドアを開ければ全面窓ガラスの清花の専用の部屋がある。

律は秘書室を覗いたが誰もいなかったため、直接、清花の部屋をノックした。


「伊集院律です」



「どうぞ、入って」


律が社長室に入ると、窓ガラスの向こうに見える田園風景に心が癒された。


「律さん、どうぞ、そこに座って」


律はその言葉に甘えて応接セットの革張りのソファに座った。






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