お告げの相手は誰ですか?
「うん、大丈夫。
右京さん、そんな変な人じゃないから。
だって、社長の弟さんだよ。
仕事に関してはすごいの一言。
頭は切れるし、とにかく仕事が早いの」
仕事に限ってだけど…
「それなら良かった…
でも、実は、僕はいつも心配してるんです。
あの空間に右京さんと二人っきりだから」
本当だったら喜ばなければならない。
慎之介君も私の事を好きでいてくれている。
「心配する必要ないよ。
慎之介君は大阪にいる彼女の事を心配しなきゃ」
この一週間で私の気持ちはこんなにも変わってしまった。
お告げの相手が目の前にいるのに遠ざけようとしてるんだもの。
「あ、その…」
「うん、どうしたの?」
慎之介は半分以上も残っていたビールを一気に飲み干した。
「あの、彼女とは別れました…
僕も、律さんの恋人候補に入れてもらっていいですか…?」