もし君が僕の世界に入ったら。
先生の声が教室に響く。

でもそんな声なんて僕の頭に何か入らない。

いいや、入らせないのだ。

ノートやら教科書がおかれてる机に違うノートをおいて開く。


『小説』


そう書かれたノートはずいぶんと使われていた。

何冊目だっけ?

静かに隣の人にもばれないよう開く。

そしたらもうね、僕の頭からあふれだす妄想が書かれていく。

まぁ、ざっと言えば妄想と、アイディアを書いてる。

なんていうか華のJKが小説とか古いのかな。

でも昔からのことだし何言われようが構わない。

窓側一番後ろ角っこ。

そう、この席こそ最高な小説を書くベストな場所。

そんなこといっても先生にばれちゃ困るので静かにして書く。

もしさ、隣の人にばれたら恥だよね。

話したこともないし、名前も知らない。


(ちょっとは知っといた方がいいかな)


少し考えて隣の人を見る。

ぱちりと見事に目が合った。


…誰。


名前わかんないな。なんだっけか。

ていうかこの状況何故僕は見られてるの。

え、どうする自分。

スッと一回目をそらす。

そして再度横を見る。

あれれ~…まだ見てますよ。


あ。


ノート見えてるね。

あわててノートをしまう。

あーあ…恥だねぇ。

僕は見られることが嫌いなんだ。

どうせ、バカにするんでしょう?

そのために見てたに違いない。

いいよ、バカにしなよ。

隣を見るとアホみたいに寝てた。


何だこいつ。


得体のしれない人物だ。

初めてこんなやつに出会った。
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