あなたに贈るホラー短編小説
「亜美、
本当にすまなかった。
僕は本当に間違ったことをしてしまった。
許してもらえるなんて思わない。
でも僕は、
僕の一生をかけて
きみに罪の償いをしたい」
〈 早くこのロープをほどいてくれ。
僕を自由にしてくれ。
今度こそは、
ちゃんと殺してあげるから 〉
「亜美、
きみさえよかったら、
僕たちは結婚しよう。
子供だって作ろう」
〈 早くロープをほどいてくれ。
僕を自由にしてくれ。
そしたらお前のその醜い顔を
世の中から消し去ってやる 〉
「僕の残りの人生は、
すべてきみに捧げる。
僕はもう一人のきみだ。
僕は、
きみの手になり、足になる。
だからお願いだ。
僕を許してくれないか?」
〈 亜美、
本当に一生で一度の願いだ。
このロープをほどいてくれ。
そしたら僕が、
お前をあの世に連れていくから 〉