あなたに贈るホラー短編小説
顔のすべてを覆う火傷のあと。
皮膚が赤くただれ、
まぶたはろくに閉じず、
前髪は抜け落ち、
つっぱった皮膚のせいで口角が常に上がり
その醜い顔には
不気味な笑みが張りついていた。
「久しぶりね」
不気味な笑みが張りついたままのバケモノが、
再び僕に声をかけた。
「亜美……、なのか?」
僕は、
恐ろしい顔のバケモノに
声をかけた。
「久しぶりなのに、
よくわかってくれたわね
信一さん」
そう言って、
亜美が
僕の方に近づいてきた。
ベッドに横たわる僕に
ゆっくりと近づいてくる
亜美の右手には、
果物ナイフが握られていた。