キミに出会って恋を知って、毎日が虹色に輝く
なのに、忘れられない。
さっきから、美桜と爽の姿しか目に入らない。
本当は、隣を歩いていたい。
美桜のいる場所を、私の場所にしたい。

「な、菜美...?」

「えっ?」

顔を上げると、驚いた顔で私を見ている夜子がいた。
どうして、そんな顔で見てるの?

...あぁ、私が泣いてたからか。
自分の頬に手を当てる。
感情が高ぶって涙が出ちゃったみたい。
幸い、気づいたのは夜子だけ見たいで良かった。
「ごめんね、屋台の煙が目に入っちゃったみたい!ちょっと、トイレ行ってくるね!」

こんな、顔見せられない。
私は、トイレに向かって走ろうとしたのだけれど、それは、誰かによってはばまれた。

「ま、真守?」

私の手をつかんだのは真守だった。

「女子、一人で行くのは危ないだろ。こんなに人多いんだし。みんなには伝えたから行くぞ。」

そう言って真守は私から手を離した。
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