鬼の欲望は主のために
会館内はもうすでに、ほとんどの生徒が集まっていた。

要、更、優の順に横一列に座り、開会のアナウンスを待っていると、後ろの方で椅子が足りないだのなんだのと言う声が聞こえた。

｢これより入学式を行います。全員速やかに着席して下さい。｣

入学式開始の合図がかかり、静かになった会館でどんどん式は進んでいった。

｢続きまして、学院長からのご挨拶です。｣

全員の注目がステージの上に注がれる。

中央学院の学院長と言えば、鬼使としては有名で、尊敬している者も多い。

そのため。中央学院は他の鬼使学院よりも入試競争が激しい。

その厳しい競争を勝ち抜いて来た生徒たちの前に銀髪の青年が立った。

歳は20代後半といったところだろう。

｢初めまして新入生の皆さん。私が中央学院学院長の矢代 薫(やしろ かおる)だ。｣

全員が注目する中、学院長の挨拶が始まった。
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