今日もきみに夢中♥
「関係者以外の方は、ロープより後ろに下がってください!」



スタッフに止められてもなお、コタちゃんは子犬と戯れている。



子犬に顔を舐められても、目を細めて笑ってる。



あんなコタちゃん…初めて見た。



動物、好きだったんだぁ。



とうとうスタッフに引き剥がされ、子犬と離れ離れになるコタちゃん。



「こういうのは困りますよ、犬たちも興奮するんでね。ったく、次のショーも控えてるのに…」



ブツブツ言うスタッフを、あたしはキッと睨んだ。



「見ている人に感動を与えてくれたワンちゃんに、その感動を伝えるのがそんなにいけないことですか?あたしたち、本当に感動したんです!」



あたしの剣幕に、スタッフもたじたじ。



「いや…それとこれとは別で…」



「ワンちゃん、ありがとうね~!またどこかで会おうね」



あたしは子犬に手を振り、コタちゃんの手を握ってロープの外へと連れ出す。



< 332 / 460 >

この作品をシェア

pagetop