今日もきみに夢中♥
「まったくもう!感動半減だよ」



「だよな…花咲、お前勇気あるな、あんなこと言うと思わなかった」



ショーの人だかりを離れ、再びお店が立ち並ぶ道へと戻ってくる。



「だって…なんかしなくちゃ…って必死で」



「…ふーん。なんで?」



なんで…って。



それは、コタちゃんの言動にうたれたから。



犬のショーよりも、その感動を素直に表現できるコタちゃんに…あたしは、感動したんだ。



「別に、庇ったとかじゃないから…」



素直じゃない、あたし。



コタちゃんは、こんな言葉を聞きたいんじゃないはずなのに。



「なんか、久々に童心に返った」



返事に対して追及するでもなく、コタちゃんがボソッと呟く。



顔を上げると、さっきみたいに晴れやかな顔つきだ。



その笑顔は、かつてあたしが見た…子供の頃のコタちゃんを彷彿とさせる。



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