眼鏡男子に愛されて
扉が開いた先にいたのは、俊だった。
「…っあ!」
思わず声をあげた泉美に、俊は綺麗に目を細めてふわりと笑った。
「っ〜〜〜〜!!////」
体中が沸騰しそうになるのを感じながら、泉美はとりあえず頭を下げる。
(どどどど、どうしよう! まさか本当に会えるなんて!)
「…今日は、委員会じゃないよね。どうしたの?」
………ぇ、わ、私に話しかけてる!?!?
「あ、え、たまには、図書室で、本を読もうかなー……と、思って…///」
噛みまくりで返す泉美に、俊は「そうなんだ」とまた綺麗に笑う。
(うわああああ!! もうこの距離でその笑顔は反則です!)
もはや泉美はいっぱいいっぱいだった。
一方、俊はというと………。
(今のちょこんと頭下げたの…可愛いなあ)
(あ、頬赤い…。少しは意識してくれるのか……)
(こんなに近くにいるの初めてだ。小さい…いい匂い……抱きしめたい…)
余裕そうに笑って見せながら、頭の中はそんなことばかり。
見事に泉美のことだけで頭がいっぱいである。
……実は俊が、必要以上に泉美にとろけるような笑みを浮かべているのは、にやけを抑えきれないからという理由なのは………だれも知る由もない。
「っ、あ、あの!」
「ん?」
「っ!!/////」
泉美から声をかけてきてくれたことが嬉しくて嬉しくてたまらなく、俊は満面の笑みを浮かべながら首を傾げる。
泉美はもう限界だった。
顔も体もこれ以上ないほどに熱くて、心臓の音も、俊に聞こえてしまうのではないかというほど大きくなっていた。