恋の物語






─ガタンゴトン


帰りの電車の中。

お昼だからそんなに混んでいない。

「信治」

「ん?」

「あたし、ちゃんと話せるかな。」

「いいか、話し合うんじゃないんだぞ

自分の意見を伝えるんだ。


あくまでも伝えるんだ。いい逃げでもない。わかるか?」


「うん、わかる気がする。」

「頑張れよ」



頑張るよ、信治。

それで、頑張ったら誕生日プレゼント渡すからね。

あたしはぎゅっとかばんの紐を握りしめた。


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