恋の物語
「はぁ…っうぅ…っ」
痛い…っ、頭も、体も…でも一番は心だ。
写真立ては、写真立てだけは壊されたくなかった…。
写真が無事なのが不幸中の幸いだ。
「…こんなこと、してちゃダメだ。
信治に会いに行こう…!」
あたしは玄関を出た。
「しん、じっ」
「はな!大丈夫か!?
松田はでていったけど…」
「大、丈夫」
「そうか。」
「家、荒らされちゃったからまた信治の家に泊まっちゃうね…えへへ。ごめんね」
「んなの、気にすんな。」
「あ、りが、とうっ
ううっ、ひっく…っ」
嗚咽が込み上げてくる。