恋の物語






「お疲れさまでーす!」

今日のバスケ部も終了!

みんなすごい頑張ってた!


でもやっぱり信治に目がいっちゃう…あはは


「しーんじっ帰ろう!」

「おう」



手を繋いで歩くあたしたち。

この時間が一番好き。



だったのに!


─タッタッタッタッ

後ろから聞こえた足音。


─ボフッ

誰かが信治に後ろから抱きついた。



「あ?誰だよ」

「えへへーっのぞみでぇーす♡」

「きめぇってやめろよ」

のぞみ…ちゃん?

「いいじゃないですかぁ、信治くんはぁ花ちゃんとおてて繋いでるんですからぁ♡」

「彼女と繋ぐのは当たり前だろ
いい加減離れろよ」

そう言って信治はのぞみちゃんを引き剥がした。

「だってぇのぞみぃ、信治くんのことぉ好きなんだもぉーん♡」

「黙れよ、お前彼氏いるんだろ?

バスケ部の前田先輩だろ?」

前田先輩って部長さんだ…。



「なっ、なんで知ってるの!?」

「前田先輩がいってたぜ」

「う、うそ…」

「ヤキモチ妬かせたいんだろ?
だったらその作戦はもうクリアだ。

ヤキモチなんか妬きまくりだぜ」


「なんだ…のぞみバカじゃん。

はなごめーん!
教科書隠したりみずかけたの全部のぞみなの」

てへ、といってのぞみちゃんは走っていった。



…宣戦布告までしてこれで終わり。

あっけない…。

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