恋の物語

背もたれを隔てて目と鼻の先に

血を流して虚ろな目でこちらを見つめる母と父がいた。


母はこちらを見てこう言った。

「あなたは行きなさい…

これが…私の…最後のお願いよ…
はやく…行って…」


父は痛いはずなのに笑顔でこちらを見ていった。

「親の言うことは…聞きなさい…

はやく…行きなさい。」

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