恋の物語




「軽蔑、しない?」

あたしは信治にたずねた。


話している間にもう1時だ。

「今の話に軽蔑する理由が見つからない。」

「両親を…見捨てたんだよ…っ?」

「見捨てたんじゃない。」



違うの…っ違う違う違う!



どうして!

あたしを軽蔑しない。

最後まで話を聞く。

親身になって考えてくれる。

こんな人は今までいなかった。


"見殺しにしたんでしょ?
最低だね。

もう近づかないで。"


そう言われ、唯一の親友をなくしたあたし。

なぜなのか分からなかった。

《花は悪くないよ》

そう言ってほしいわけではなかったけれどああやって全面否定されると辛くなった。

< 72 / 165 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop