恋の物語
「そうだよな、辛かったよな。」
「…う…っん」
辛かったよ。
「唯一の親友を失って寂しかったよな
しかも陰口を言われて
どうしていいか分からなかったよな」
「う…んっ」
2時になっても嫌な顔ひとつせずに話を聞いてくれる彼。
やはり優しいと思う。
怖いって言って近づかない人。
それは見た目で決めていると思う。
確かに信治は髪色が他の人より明るいかもしれない。
口数が少し少ないかもしれない。
表情を読み取りづらいかもしれない。
だか、それだけではないだろうか。
たかがそれだけのことで怖がったりすることはないだろう、あたしはそう思っていた。