恋の物語

─がらーっ


教室をあけるたびに感じるこの視線ね。

あるあるじゃん。

でも今日はその視線が一段と多い。

あー。
うん。
見たくもなるね。

あたし、のぞみちゃん、信治。

どーゆー構成だよってね。

「あ、松本さんおはよう」

にこっ、と爽やかに笑うのは木本くん。

最近よく話しかけてくれるの。


「木本くんおはよう」

「あ、話があるんだけど…放課後いいかな」

「うーん…ごめんなさい。今日の放課後は無理です。

お昼休みはどうですか?」

断るときに敬語になってしまうこの癖。

どうにかしたい。


「うん、昼休みでいいよ

体育館前にいいかな?」

「うん!おっけーです」

あたしは指で丸をつくった。

「ありがとう」

そう言って木本くんは去っていった。

< 88 / 165 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop