恋の物語
その声は低くて圧力的で。
あたしに向けられていなくてもあたしが怖くなった。
「ひぃぃ…!」
その声を向けられた木本くんは青くなっている。
「はなに謝れよっ!!」
…っ
信治があたしのために怒っている。
そう考えると不謹慎にも胸が高鳴った。
「松本さんっ」
「うぇ、あ、はい。」
信治のこと考えてたら変な返事しちゃった…
「無理矢理キスしようとしてすみませんでした。」
木本くんは深々と頭をさげた。
「あ、も、もうしないでね。
あたしにも、他の子にも…っ」
「はい…ごめんなさい」
そう言うと木本くんは走って去った。