君のことが大好きです。
「なにしてんの?」
「……。」
…え?
なんで…あの人がここにいるの?
あの時ここで出会ったあの人が。
「ねえ、なんかあったの?」
「っ……。」
この人の瞳が、声が、すべてが、私に向く。
「ねえ。」
「……なにもしてないし、なにもありません。」
答えられるわけない。
名前も知らない。一回しか見たことがないこの人に。
「バカなの?泣いてる顔からして何かあったって言ってるようなもんじゃん。」
ゔっ……。そうだけど…。
しかも意外と毒舌…。
バカとか心にグサッとくるんだけど。
「本当にないんです。大丈夫ですから、気にしないでください。」