君のことが大好きです。
°✳︎.小さな蕾.✳︎°
「「美来!」」
旧校舎から本校舎に戻って歩いているととてつもなく大きい声が聞こえた。
「羽湖ちゃん…海ちゃん……。」
もうホームルームも終わってみんな帰ったはずなのに2人は待っててくれた。
「どんだけ心配したと思ってんの⁉︎」
「…ごめん。」
「泣いたの⁉︎」
「…うん。」
「なんで⁉︎」
「…それは……言えない。」
「言ってよ!なんでも言って欲しいよ…。」
そう言って私の肩をつかむ羽湖ちゃん。
でも…言えるわけない。
「羽湖、落ち着け。」
「だって…。」
「ごめん。羽湖ちゃん、海ちゃん。
本当にごめんなさい。
だけど、誰にも言えないの。言いたくないの。」
このことを知ったらきっと2人も私に同情するから。
そういう同情なんて欲しいと思わない。
むしろいらないの。
そしていつか羽湖ちゃんたちは私から離れていってしまう気がするから。