君のことが大好きです。
「いらっしゃい!夏祭りデートかい?」
陽先輩の要望通りに金魚すくいに来た私たちはお店のおじさんに冷やかされた。
デート……か。
私たちは周りの人たちから“付き合ってる”ように見えるんだろうか。
「私たち付き合って「まあ、そんなとこです。」
“付き合ってない”
そう言おうとしたら陽先輩が私の言葉を遮った。
…なんで?
私たちは付き合ってなんかいないし、友達でもない。
ただの“先輩と後輩”。
きっと陽先輩はそう思っているでしょ?
陽先輩の顔を見ると目があって陽先輩は旧音楽室で初めて会った時みたいに、ううん、初めて会った時よりも優しく微笑んだ。
ドキドキと、
さっきから、私の心臓はうるさくなってばかりだ。