君のことが大好きです。
「叶 美来ちゃん、いますか?」
ドアの方からそんな声が聞こえて見てみると、
「も、なちゃん……」
萌南ちゃんがいた。
「あ!美来ちゃんっ!こないだ、過呼吸ぽかったけど大丈夫だった?」
「…あ、う、うん。大丈夫だったよ」
こんな心配、してないくせに。
全部全部、嘘のくせに。
「あ、あと話したいことあるから今、時間あるよね?」
まるで、時間がないとは言わせないような聞き方。
やっぱり、萌南ちゃんの全てが苦手だ。
「…..うん。朝のホームルーム始まるまで20分くらいあるから、大丈夫だよ」
「よかったぁ、じゃあ行こ?」
「うん、あ、羽湖ちゃん、海ちゃん行ってくるね」
「いってらっしゃーい!」
「美来、なんかあったら言えよな」
海ちゃん、私が行きたくないって気付いてるはずだ。
でも、この雰囲気をわかって私を止めない海ちゃんは、やっぱりどこかとても鋭い。
萌南ちゃんの後ろをついていってる今でも焦りだけでなく海ちゃんたちのことを考えられるようになったのだから、それだけ2人は私のことを支えてくれてる気がする。