運命の恋は健康診断から始まる
気になる人

車の振動に誘われるように眠気が襲ってきて、それに耐えようと頑張っていると欠伸が出て目に涙が滲む。


これをもう何回も繰り返してるから、鼻水まで出てきてズズッと鼻水をすする。


それを見ていた隣に座る同僚の一ノ瀬ちゃんがふふっと笑った。


「さっきから欠伸すごいですね。朝早いの続いてますもんね」


そう言う一ノ瀬ちゃんは全然眠くなさそうでしゃっきりしてる。


一ノ瀬たすきちゃんは私より年は二つ下だけど、ここの会社では私の先輩だ。


私、横川歩は桜宮総合健康センターに勤めて二年になる。


その前までは総合病院で働いていたけど、膵臓癌を患った母の看護のために病院を辞め、母の看護に少しだけ専念した後、桜宮総合健康センターに就職した。


理由は夜勤がないことと、土日が休みなこと。


夜勤やってると夜に何かあっても抜けられないし、病院勤務だとなかなか時間の融通もききにくい。


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