運命の恋は健康診断から始まる

「い、いや。でもほんとに、ちょっとからかわれただけで。あの人、ほんとに宗ちゃんのこと心配してくれてたんだと思う」


宗一郎さんの事を思っての行動で、決して自分が楽しいからではないと思う……多分。


一生懸命そうフォローするけど、宗一郎さんはごまかされてくれない。


険しい顔でため息をついて、私の頬を撫でる。


「あいつ、明日説教。結城、ああ見えて幹部候補だから俺より偉いんだけどね。あの若さで管理職だから。立場的には俺の上司だよ。仕事は出来るんだけど、ちょっと性格があれだけどね」


「え?そうなんですか?」


年、私とそんなに変わんなかったけど。宗一郎さんより偉いって、意外すぎる。


性格は……うん、分かるけど。


「そう、あいつ頭良くていい大学出てるから。結城が新人で入った時に俺が指導係だったんだよね。そこから妙になつかれて、今もね。離婚した時なんか、俺より怒ってたし」


そう言って苦笑いする宗一郎さんに結城さんて本当に宗一郎さんの事が好きなんだな、と思う。


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