運命の恋は健康診断から始まる
「結城さん、宗ちゃんのこと大好きなんですね。やっぱり、悪い人じゃないですね。ちょっと怖いけど」
つい本音が漏れると宗一郎さんが訝しげな目で私を見る。
「やっぱり他にもなんかされてない?」
まずい、せっかくごまかせそうだったのに。また疑われてる。
「さ、されてないです。宗ちゃんの気持ち分かって嬉しいから、やっぱり感謝してます」
慌てて手を横に振って否定すると、宗一郎さんは困ったように笑って私の頬に触れる。
「それはずるい。何も聞けなくなっちゃうじゃん。あー、もう……帰したくないけど。送ってくよ」
ハアッとため息をつく宗一郎さんが名残惜しそうに私の頬に触れる。
「え、でも申し訳ないので。電車で帰っても……」
宗一郎さんだって、仕事してきて疲れてるだろうし。まだ全然電車も動いてる時間だから大丈夫だけど。