運命の恋は健康診断から始まる
甘い夜
そして金曜日。
一ノ瀬ちゃんにお付き合いすることになったことを報告すると満面の笑顔を私に向けてくれる。
「よかったですね。それは、本当におめでとうございます」
「ありがとう」
そう言って笑いかける私に一ノ瀬ちゃんも笑いかけてくれる。
「にしても、その言い方だと子供のことちゃんと検査したわけではなさそうですね」
「ああ、そうだね。でも、それはそれで……宗一郎さんと一緒にいることの方が大事だと思ったから」
それは本当に、そう思った。それで子供を産むことができなくても、それは仕方がないことだ。
これからの人生、一緒に過ごしたいと思ったのは宗一郎さんだから。
女として産まれた以上、好きな人の子供を産みたいとは思うけど。
それが全てではないと思う。
宗一郎さんの傍にいられる事が、私は嬉しい。