運命の恋は健康診断から始まる
「すぐってわけにはいかないだろうけど、歩とちゃんとしたいから」
宗一郎さんがそう言って微笑む。私との将来をちゃんと考えていてくれるんだと思うと、嬉しくて胸がいっぱいになる。
「あ、でも私……両親は……」
そう言えば宗一郎さんにその話はしてなかった。
「両親は、というより……もう家族はいないから」
お父さんの顔は知らないし、お母さんは死んじゃったし、兄弟も親戚もいない。
それを伝えると宗一郎さんは驚いた顔をして、私のことをぎゅっと引き寄せた。
「……そこも同じなんだ。俺と歩ってやっぱり運命の相手なのかな。俺も、もう家族はいないから」
宗一郎さんも、物心ついた頃にはお母さんと二人家族で、そのお母さんも社会人になってすぐに病気で亡くなってしまったと話してくれた。