運命の恋は健康診断から始まる

「なんか、微妙だけど……頼りにしてますよ、看護師さん」


「ま、任せて。あ、でも私は宗ちゃんのシワも好きだよ」


そう言った私の言葉に宗一郎さんがまた吹き出す。


「ちょ、シワって。それ俺は喜んでいいの?嬉しいような嬉しくないような複雑な心境なんだけど」


わりと本気で言ったんだけどな。目尻のシワとかも宗一郎さんの歴史って感じがして好きだ。


「シワも魅力的って意味だから喜んでよ」


そう言うと低い声を洩らして宗一郎さんが笑う。


「ん。じゃあ、喜んどく」


そう言って枕を抱えて身を震わせてしばらく笑っていた宗一郎さんが私を見る。


「明日連れてって。歩のお母さんのお墓。ご挨拶したいから」


そう言う宗一郎さんに微笑む。


なんか、ほんとにちゃんと考えてくれてるんだと思うとすごく嬉しい。


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