運命の恋は健康診断から始まる

その考えを振り払って左手の人指し指からまた検査をする。


中指、薬指と検査をして右手も同じように検査をする。


うん、今度は大丈夫。全部、基準の数値内だ。


「はい、終わりです。お疲れ様でした」


高倉さんにそう言うとホッとしたみたいで息をついて微笑む。


この人、笑うとさらに優しい顔になるな。やっぱりかっこいいし、なんとなく雰囲気が好きだなと思う。


「大丈夫だったかな、俺」


そう言って私の記入してる用紙を覗きこんでくる高倉さんからふわりといい匂いがしてまた心拍数があがる。


「大丈夫でした。左手の中指が基準ギリギリでしたけど」


香水とかつけてるのかな、と思いつつそう答えて記入した用紙をファイルにしまう。


すごいドキドキしてるけど顔とか赤くなってないかな、私。


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