運命の恋は健康診断から始まる
「そっか、ギリギリか。ヤバイかな」
そう言って眉を下げる高倉さんが頬杖をついてじっと私を見る。
「でも基準内ですからね。大丈夫ですよ。じゃあ、次は爪圧迫なので。また椅子にかけてお待ちくださいね」
見つめられて心臓が痛くなるほどドキドキしてしまって。
それをごまかすようにそう言って笑顔を向ける私に高倉さんも笑顔でありがとうと言ってくれて、何だか幸せな気持ちになる。
単純な私はドキドキしながらもそれだけで元気になってしまい、頑張ろうと思って次の人の名前を呼んで残りの人の検査を頑張る。
やっと人がひけたところでうーんと背伸びをしていると、健診が終わったらしい高倉さんとまた目が合った。
私を見て微笑んだ高倉さんが会釈してくれて、嬉しくなって私も笑顔で会釈する。
高倉さんが健診会場から出て行ってハアッと息を吐く。