運命の恋は健康診断から始まる
やっとすべてが終わった時、見上げた雲一つない空がすごく綺麗だったことをよく覚えている。
後輩の結城は、人が好すぎるって物凄く怒ってたけど。俺は、解放された喜びの方が大きくてとてもすっきりしてた。
そんな一回目の結婚生活に疲れきった俺は、もう絶対に恋愛なんかしないと決めていた。
ずっと一人でいいと思ってたから独身時代からの貯金で夢だった家を建てることにした。
本が好きな俺は、書庫がある家を建てることが夢で、それを叶えられた時に本当に離婚して良かったと心の奥底から思った。
きっと、あのままだったらこの夢は叶わなかっただろう。
俺の本を勝手に捨ててしまうような女だったから、俺の意見なんて聞いてくれなかっただろうし。
散々痛い目に合ってきて、本当に恋愛なんてもうこりごりだと思ってた俺が、あんな若い子に惹かれるなんてありえない。