運命の恋は健康診断から始まる
ありえないと思いながら、目が合うだけでざわめく心においおいと自分で苦笑いする。
健診で見かける度に、その子のことを知りたいと思ってる自分がいて。その感情に自分で驚いて戸惑った。
どうしようもなく視線がその子の事を追ってしまう。
見た感じ二十五歳前後だし、二十くらい年が違うだろうし、ましてや年に数回会うだけの健診センターの看護師さんだし。
話したこともないし、名前も分からない。
そんな相手にこんな気持ちになるなんて、どうかしてる。
向こうは俺のことなんてその他大勢の客の一人だと思ってるだろう。
だからこんなの恋なわけないと、そう思っていた。
そう思うのに健診の日が来るのを楽しみにしてる自分がいて、あの子が来てるといいなと思ってしまう自分がいた。