運命の恋は健康診断から始まる
「面白がってんのは結城さんだけですよ。俺達は真剣に将来の参考にですね。だってここの会社、出会いないんですもん」
確かに男ばっかで出会いはないかもしれないけど……。
「事務にもいるだろ、若い子」
そう言うと平根はなぜだか嫌そうな顔をする。結城まで呆れた顔で俺を見るし、何なんだよ。
「うちの事務の人、きっつい人ばっかりなんですもん。いいなー、看護師さんとか。マジでどうやって口説いたんですか?」
純粋な目でそう聞いてくる平根を見て本当に困ってしまう。
ニヤニヤしてる結城が腹立つ。お前が協力したとか絶対言わないけどな。
「教えない」
メールとか電話とか、家に来たり一緒に出掛けたりはしてたけど特に口説いたりしてないし。
お互い、最初から好意もってたからな。