運命の恋は健康診断から始まる

「えー、教えてくれないんですな。でもな、高倉さんだしな。俺らの参考になるか……」


「なんだ、それ」


意味が分からなくて眉間にシワを寄せる俺に結城が苦笑いする。


「この人俺と違って自覚ないから。ダメダメ」


「ああ、結城さんは確かに自覚してますよね。高倉さん、してないんですか」


なんだその呆れたような目。ちょっとムッとする俺に平根はため息をつく。


「だって高倉さん、男の俺から見てもかっこいいですもん。背も高いし、仕事できるし、余裕がある大人の男って感じだし。男の色気みたいなのもあるし。俺の憧れの男ですよ、本当に」


そう言われて俺は驚いて目を見開いた。そんな俺を見て平根も目を見開く。


「マジで自覚ないんですか。高倉さんモテるじゃないですか」


「は?モテないだろ」


モテた記憶なんてないけど。学生時代は、思い返せば多少モテたかもしれないけど。


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