運命の恋は健康診断から始まる
本当はもっと働かないでお母さんといたかったけど、治療費もかかるし生活もあるから働き出した。
私を女で一人で育ててくれた母は、膵臓癌が見つかった時にはもう手遅れな状態だった。
沈黙の臓器といわれる膵臓は異常があっても症状が出にくくて身体に異変が出たときには手遅れという事が多い。
だから膵臓癌と聞いた時にはなんで膵臓なんだろうと思ったのと同時に覚悟もした。
その母はあれよあれよという間に状態が悪くなり半年前に亡くなってしまった。
それでもたくさん話もできたし、かなり勤務も融通きかせてもらえて助かった。
何より最期を看取ることができたからここに就職して本当によかったと思う。
最初は私に意地悪してたベテランさん達も私の事情を知ったら手の平を返したように優しくなってビックリしたけど。
きついけど、情が深い人が多いみたいだ。