運命の恋は健康診断から始まる
「歩さ、健診初日に来るって言ってたよね?」
ご飯を食べながらそう聞くと歩が頷く。
「うん。宗ちゃんは受けるの最終日だっけ」
「そう。うちの若い奴等が歩に興味津々だから。絡まれると思うから気を付けて」
首を傾げる歩に苦笑いする。最近、歩がまたかわいくなった気がする。
だから余計に心配だ。
「あんまりペタペタ触んないでね、他の奴のこと」
そう言うと歩が気まずそうに俺から目をそらす。
ん?何、その反応。
「新人の子と採血やるからちょっと無理かも」
「……やだ」
思わずそう言うと歩が困ったように笑う。
「なるべく気を付ける」
そう言って優しい笑顔を浮かべる歩が愛しい。
結婚しても仕事でさえ他の男に触れてほしくないなんて、俺こんなに心狭かったんだ。
そう思ってちょっと落ち込んでいると歩が俺に笑いかける。