運命の恋は健康診断から始まる
「いって!」
「毎日、毎日、歩との時間邪魔しに来て。早く帰れよ」
結構本気で怒っている宗一郎さんを見ても結城さんは動じない。
この人、本当にハート強すぎだと思う。
「連絡先だけでも教えてくれればなー。後は自力で何とかするんだけど。もう種は撒いてあるし」
そう言って不敵な笑みを浮かべる結城さんにゾッとする。
だから嫌なんだ。この人、欲しいとなったら手段を選ばなさそうで。
千紗ちゃんは何もされてないって言ってたけどすごく怪しい。
「教えません。かわいい後輩をみすみす結城さんの魔の手にかけるわけには」
わりと本気でそう言う私に結城さんは唇を尖らせる。
「何だよ、魔の手って。失礼な。俺だって本気で狙う子にはそれなりに慎重になるんだよ。本気になるの初めてだけどさ」
ブー、ブー言ってる結城さんにため息をつく。