運命の恋は健康診断から始まる

嫌な予感がして身構える私を、結城さんはぎゅうっと抱きしめた。


「あ、お前!」


宗一郎さんの怒ってる声を無視して結城さんが私の背中を撫でる。


「よかったね、歩ちゃん!二人の子供なら俺の甥姪同然だから!産まれたらめっちゃ可愛がるから!」


そう言う結城さんを宗一郎さんが私から引き剥がす。


「いつからお前は俺の弟になったんだ。結城みたいな弟死んでもいらないわ」


「ひどいなー。俺、高倉さんのこと大好きなのに。こんっなに、兄のように慕ってるのに」


そのやりとりを見て私はクスッと笑った。


結城さんは家庭がちょっと複雑らしく、家族とは疎遠になっていると聞いた。


そんな結城さんを宗一郎さんは何だかんだ言いながらも気にかけてきて今の関係になったらしい。


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