運命の恋は健康診断から始まる
疲れたようにため息をついた宗一郎さんが私を見る。
「……歩。その千紗ちゃんて子、一回家に連れてきたら?」
そう言う宗一郎さんに結城さんの顔が明るくなった。
「会社でも家でも毎日、毎日、千紗ちゃん、千紗ちゃんて……俺もうノイローゼになりそうだよ。それにもうこれ以上歩との時間が減るのは耐えられない」
そう言って宗一郎さんはグッタリしてるのに、結城さんは全然動じてないし気にしてもない。
本当に何なんだろこの人は。
「結城、一回決めたことは曲げないから。ほんとに連れてくるか連絡先教えるかしないと諦めないよ」
その宗一郎さんの言葉に結城さんは目を細めて笑う。
綺麗な顔をしてるからそういう風に笑うと何だか妙に迫力がある。
なんか、獲物を見つけた肉食獣って感じがする。