運命の恋は健康診断から始まる
「もうほんと、頼むから帰って」
「やだー」
そう言って椅子に座った結城さんが机に突っ伏す。
「いいなー。高倉さん、若くてかわいいお嫁さんもらって。しかも子供まで出来て。俺も結婚したーい」
子供みたいにそう言う結城さんに宗一郎さんが目を丸くする。
「結城、結婚願望ないんじゃなかったっけ」
「んー、なかったけど。高倉さんと歩ちゃん見てたら……うちの親とか高倉さんの前の奥さんみたいな女ばっかりじゃないんだなって。ちょっと希望が見えちゃったっていうか……」
そう言ってチラッと私を見る結城さんの目が本気でビクッとしてしまう。
「俺もそういう相手欲しいなって、思っちゃったんだもん。そう思わせたのは歩ちゃんなんだから。責任とって」
え、私が責任とらなきゃいけないの?