運命の恋は健康診断から始まる
驚いて高倉さんを見上げると困ったように笑って私の手を離す。
「あ、ごめん。急に手掴んで」
「いえ、大丈夫ですけど」
どしたのかと見上げていると高倉さんは迷うように視線を泳がせてから、私を見た。
「あの、さ……」
高倉さんが何か言おうとするのを遮るように、私のお腹が鳴った。
うわぁ、確かにお腹すいてたけど、これはかなり恥ずかしい。
思わずお腹を押さえて赤くなる私を見て、高倉さんがプッと吹き出す。
「き、聞こえました?」
そう言って高倉さんを見上げると高倉さんは私を見てクスクスと笑う。
「うん、聞こえた。お腹すいてるの?」
笑いながらそう聞かれて顔がますます赤くなるのが分かった。
穴があったら入りたいくらい恥ずかしいけどもう聞かれちゃったから正直に頷く。