運命の恋は健康診断から始まる
「……歩ちゃん、本当に優しいね。癒されるわ。ん、でも……はい。じゃあ今日は歩ちゃんの言うこと聞いておこうかな」
癒されたのは私もだけど。やっぱり宗一郎さんのまとう空気感、私好きだな。
「じゃあ、今日はありがとうね。また連絡する」
その言葉を聞いてドキッとする。次があるんだと思うと嬉しくなって顔が緩んでしまう。
「こちらこそ。お昼までごちそうになって、本当にありがとうございました」
お辞儀した私に微笑んで、宗一郎さんは私に手を振った。
「またね、歩ちゃん」
「はい、また」
私も手を振り返すと笑みを深くした宗一郎さんが私の頭を撫でてから背を向ける。
ふいうちの優しいその手にまた動悸がしてきて、宗一郎さんに触れられた頭に触れる。