運命の恋は健康診断から始まる
「で、次の約束はしたんですか?」
一ノ瀬ちゃんの言葉に私は頷く。こないだ会ったときに買った本を貸すって約束をして会うことにはなったんだけど。
「……した。今度の土曜日に午後からお家に行くことになった」
私がそう言うと一ノ瀬ちゃんはご飯を口にいれようとした手を止めて目を見開いて私を見る。
「え!?家ですか!?」
うん、すごい分かる。私も最初にそう誘われた時はビックリしすぎて一ノ瀬ちゃんみたいになった。
「私もビックリしたけど、見せたいものがあるみたいで。絶対何もしないからって何回も言われまして。OKしました」
この誘いの時は電話がかかってきて、何もしないと何回も念を押されて。
宗一郎さんの本コレクションが気になったのもあってOKしてしまったけど。
そこまで言われて断るのも、何か自意識過剰なのかなとか思ったし。